開発日誌

日本における世論調査の歴史

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世論調査コムでは、日本の内閣支持率を中心とした世論調査を行うこなっています。ここで、日本における世論調査の歴史について、少し振り返ってみたいと思います。



【世論調査前史】

世論という言葉の語源は、漢の武帝による「輿論に問う」という漢文が元になっているそうです。ところが、日本の歴史では戦後まであまり世論は重視されていませんでした。

様々な要因によりますが、その背景には、世論のような実体のない数値は統計ではないという批判もあったようです。それは、当時の統計学手法が未発達だったせいもあるかもしれません。

【日本最初の世論調査】

日本で実施された最初の世論調査は、おそらく、1945年10月に毎日新聞社によって実施された「知事公選の方法について」であると考えられます。このときには、毎日新聞が2千人を対象として、「知事にどんな人を選ぶか?」「食住について」を質問しました。

翌年には、朝日新聞によって20万人を対象として、「吉田内閣を支持するか」、「支持する政党について」の質問を行いました。今の世論調査の形ですね。

当時は、該当で調査票を配って回答を集めていたようです。



【電話による世論調査のスタート】

1987年、日経新聞によって電話帳にある電話番号を使用した世論調査が始められました。このときから、電話による世論調査が主要な方法へと代わっていきました。

この方法では、たとえば、電話帳の各ページで○番目の人を選ぶという方法で無作為に抽出しました。

当時は、電話を用いることに「科学的な検証が十分では無い」といった批判もあったようです。



【第18回参議院議員通常選挙】

実際、1998年の第18回参議院議員通常選挙では電話帳を利用することによる弊害が現れました。

このときの事前の世論調査では、自民党有利という下馬評でした。しかし、ふたを開けてみると民主党が躍進する結果となりました。

この理由としては、当時、民主党は若者から支持を集めていましたが、そのときには電話帳に電話を載せない若者が増えていたからではないかと推測されています。



【RDD方式による世論調査】

そのような反省を踏まえて、Random Digit Dialing (RDD) 方式と呼ばれる、アメリカで発明された方法が利用されることとなりました。これは、電話番号の一部をコンピュータをつかってランダムに決めることにより、無作為に対象を選び出す方法です。

これは、かなり効率的な方法で、結果もすぐ分かると言う利点はあるものの、また、有効回答率が40%台と低くなる傾向もあり、電話をとる時間帯や習慣のバイアスには考慮する必要があります。

2016年以降は携帯電話も対象となるようになりましたが、それより前には、固定電話のみが対象となっていたため、携帯電話しか持っていない若者がカバーされない偏りが指摘されていました。

様々な課題がありますが、そのような偏りを除くための工夫もなされ、現在ではもっとも普及し信頼される方法となっています。



【インターネットを使った世論調査】

今後、期待される技術としてインターネットを活用した世論調査が挙げられます。

インターネットマーケティング等の需要もあり、様々なサービスがしのぎを削っており、今後も発展が期待されます。

世論調査コムでは、インターネットの活用を中心として、新たな世論調査の歴史を切り開くことを目指しています。



【参考資料】

http://www.jss.gr.jp/wp-content/uploads/Vol21_P283.pdf

http://www.1242.com/lf/articles/65742/?cat=politics_economy&pg=asa&feat=yajiuma

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB#%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C

 

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